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戦場のコックたち

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 2016年本屋大賞ノミネート作(第7位)、先程読了いたしました。

 第二次世界大戦・欧州戦線を舞台とし、第101空挺師団の特技兵(コック兵)として、通常は一般の兵卒と同様に銃を持ち、戦闘の合間には兵士たちの食事を供給する任務に就く主人公の視点を通して描かれた物語です。

 戦場と言う「非日常」の中での兵士たちの「日常生活」が大変活き活きと描かれ、またその「日常」の中で発生する様々な「事件」に対する謎解き、そして1944年のノルマンディ降下作戦からマーケットガーデン作戦、そして「バルジの戦い」を経てドイツ帝国の降伏と、欧州戦線に於ける主要な戦いを壮大なスケールでトレースする、なかなかの傑作でしたよ!。

 「史上最大の作戦」「プライベート・ライアン」「遠すぎた橋」「バルジ大作戦」「最前線物語」といった、欧州での戦いを描いた著名なハリウッド映画の情景が、本作で描かれる情景とダブり、また戦争の残酷さや悲惨さだけでなく、過酷な戦場で培われた友情や心の葛藤も巧みに描かれていましたね!。

 余談ながら、圧倒的な物量を誇るアメリカ軍が兵站を重視していたのと対照的に、旧日本軍では「輜重輸卒ガ兵隊ナラバ、蝶々トンボモ鳥ノウチ」と、乏しい物資にも関わらず、兵站に従事する兵科を軽んじる風潮にあり、結果、ガダルカナルやインパール、ニューギニアでは戦死者を遥かに上回る餓死者を出す結果を招いておりまして、そんな事を思い浮かべながらの読書でもありましたねぇ・・・。
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まさキン

Author:まさキン
いつまで経ってもおもちゃやホビー系から卒業できないおっさんです。自家用車を子供に取られたため、20年ぶりに小さなバイクに跨る事になりました。

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